はじめに
「自然との調和」から
得た智慧を
人と地球の
すこやかな未来へ
人と地球の健康が同時に損なわれている現代。
私たちが生きる地球は、表面の7割が海であることから「水の惑星」とも呼ばれます。太陽の光がほどよく届き、植物からの贈り物である酸素が満ち、多様な生物が暮らす美しい惑星です。これまで人は地球と共生してきましたが、近代になり産業革命以降、工業化社会の時代に突入し、今や地球がそなえる治癒力を超えるほどの急速なスピードで環境破壊を起こし、人と地球の健康が同時に損なわれています。
急速に増加している人口をまかなうための大量生産化した農業や畜産、食品の工業化、温暖化、海洋汚染、大気汚染、生物多様性の破壊……。
自然災害の増加や食糧問題の深刻化、絶滅危惧種の増加など、地球全体の安全を揺るがす現象が目の前で起こっています。
また、スピーディーで効率重視のストレスフルな現代社会によって、心身のバランスを崩したり、生活習慣病を引き起こしたりするなど、病の質も変わってきています。
今こそ、一人ひとりがアクションを起こすとき。
しかし、こうした人の手によって起こっている人と地球の健康問題は、人の手によってのみ解決し得るとも考えられます。つまり、私たち一人ひとりがどのように日々を過ごしていくかにかかっています。自然との調和に反した選択・行動を続ければ、やがてめぐりめぐって自分自身の健康に還ってくるのです。
だからこそ、人と地球の健康を守るアクションが日々の暮らしの中にあることに気づき、その一歩を踏み出していただきたいのです。ご自身のアクション、さらに次世代へアクションのリレーを継続することで、未来には全く違う景色が地球上に広がっていると思いませんか?
人と自然の調和を理念に、半世紀以上
本研究所の母体である化粧品会社「アルソア慧央グループ」は、創業期より半世紀以上「人と自然との調和」を企業理念に掲げてきました。そして、理念を具現化させるべく1998年に本社を渋谷から小淵沢に移転。この地で蓄積してきたのは、自然の摂理に学び、人が本来持っている力を引き出す智慧です。自然のめぐみ、循環を未来へと残していくために、自然に負荷を与えない製品づくり、環境保全、「心・体・肌」の健康、予防医療への取り組み、
多様性への配慮などを通して、人も自然もすこやかであり続ける社会を目指してきました。
プラネタリーヘルスマインドを伝えるミッション。
これらの取り組みは、近年、世界で話題になっているSDGsや、「人と地球の健康は一体として考える:プラネタリーヘルス」そのものであることに気づいたのです。
私たちは、プラネタリーヘルスマインドを持つ人をひとりでも多く誕生させることが喫緊の社会課題と捉え、これをミッションに「一般財団法人 女神の森ライフスタイル研究所」を設立しました。
当研究所では、小淵沢を森のキャンパスとして、医師、薬学博士、管理栄養士、パーソナルトレーナーなど専門家監修のもと、プラネタリーヘルスの概念と、私たちが半世紀以上蓄積してきたヘルスケアの智慧を「食を育む」「心を調える」「体をデザインする」「植物と共生する」という4つの要素に整理し、誰もが学べる健康学としてリデザインしました。
小淵沢をプラネタリーヘルスの発信基地に。
壮大な価値観として捉えられがちな「人と地球の健康」を、まずは自分の心と体を調えることをスタートに、身近な暮らしの中でプラネタリーな気づきを促し、無理なく実践し習慣化していく――。
この新しい生き方を「プラネタリーヘルスライフ」と称し、こうした気づきと行動変容を促すための学びが「プラネタリーヘルスライフ検定」です。
本研究所のホームグランドである小淵沢が日本のプラネタリーヘルス発信地のひとつとなり、ここで未来を生きる本質を学んだ人たちによって「プラネタリーヘルスライフ」が日本から世界中に拡がり、人と地球のすこやかな未来へとつながることを願ってやみません。
一般財団法人
女神の森ライフスタイル研究所所長
株式会社アルソア慧央グループ副会長
滝口 陽子